「腎臓病のステージ判定」とは

「腎臓病のステージ判定」とは

今回は「慢性腎臓病」の「ステージ判定」について、自分が宣告されたときの状況や感想をまじえて書いていきたいと思います。

「慢性腎臓病」は「CKD」とも呼ばれていて、病気の状態によって5つのステージに分けて診断されます。

ステージがわかることで、自分の状況や今後の対策・治療や食生活などをどうすればよいのかがわかりやすくなります。

そもそも「慢性腎臓病」のステージを判定する前に、腎臓という臓器がダメージを受けているのかどうかを確認する必要があります。そのためには健康診断などを参考にしますが、その代表的なものが以下の2つです。

  • クレアチニン(血清クレアチニン)
    ⇒体に不要な老廃物の一種
    ⇒腎臓が尿とともに体外に出す
  • 血中尿素窒素(BUN)
    ⇒タンパク質はアンモニアになり尿素に変わるが、その尿素に含まれる窒素量
    腎臓が尿とともに体外に出す

この2つの数値は健康診断で腎臓に不調が生じていないかを確認する項目ですが、数値が基準値をはずれている場合は「要経過観察」や「要再検査」などと記載されることがあります。

腎臓が「要再検査」となったら、まずは血液検査と尿検査を行います。
血液検査では「eGFR」を確認し、尿検査では「たんぱく尿」を確認して、それぞれの値を組み合わせて腎臓の状態を判断していきます。

では「eGFR」とはどのような数値でしょうか。

「eGFR」とは「推算糸球体濾過量」のことで「すいさん しきゅうたい ろかりょう」と読み、腎臓が老廃物を尿へ排泄する能力を示す値。
「eGFR」が低いほど腎臓の働きが悪いということで、ステージの判定の際に必ず確認する数値。
「eGFR」は「血清クレアチニン値」と年齢と性別から計算して数値を割り出す。


「たんぱく尿」とはどのようなものでしょうか。

たんぱく質は体に必要な成分のため、尿に排出しないように腎臓で再吸収して血液にたんぱく質を戻す。
しかし腎臓が悪いとこの機能が正常に働かずに、尿にたんぱく質が排泄されてしまう。
これを「たんぱく尿」という。

なお「eGFR」の値の出し方は年齢や性別や「クレアチニン値」や筋肉量などでも異なるため医療機関などで調べて頂くのが良いと思います。

ということで「eGFR」と「たんぱく尿」、(医療機関や状況などでも異なりますが)血液検査の他の項目やエコーなどで「慢性腎臓病」のステージを判定します。

それぞれのステージは5段階(たんぱく尿の分類でA1からA3をつける場合あり)で評価しますが、目安は以下の通りです。

  • ステージ1
    ⇒ほぼ正常
    ⇒経過観察
  • ステージ2
    ⇒軽い腎機能低下
    ⇒生活改善・食事療法・定期検査
  • ステージ3
    ⇒半分程度の腎機能低下
    ⇒生活改善・食事療法・薬物治療
  • ステージ4
    ⇒重度の腎機能低下
    ⇒厳しい食事療法・薬物治療・各種治療
  • ステージ5
    ⇒末期腎不全
    ⇒透析療法・腎臓移植

検査の上、担当医から「慢性腎臓病のステージ5の末期腎不全」であることが告げられました。
担当のお医者様は、検査結果を見せつつ「この数値はステージ5の判定で、末期腎不全の症状になってます。」と言い、模型を使いながら現在の腎臓の状態や、現在の状況、この後の治療などについて説明してくれました。
そして最後に「要するに、もう人工透析を検討するってレベルじゃなくって、人工透析待った無しの状態なんですよ。」とおっしゃいました。

その時の私の率直な感想は、
「あ〜調子悪かったのはこれが原因かぁ。」
「仕事どうしよう?」
「今の生活できんのかな?」
「今飼っている猫は飼っていけるかな?」
などが頭の中を駆け巡り、自分の身体より今後の生活の不安が大きかったように思います。
この時の状況や感想は「発病から現在まで」で詳しく記述していますので、よろしければそちらもご覧ください。

ステージ5の判定を受けると、透析療法か腎臓移植のどちらかしか生き残る方法はありません。
どちらも簡単な治療ではありませんので、本当はステージ5にならないように、死に物狂いで腎臓をいたわってあげる必要があります。

でも私は、自分がそこまで深刻な状態になっているとは思わずに、真摯に自分の腎臓と向き合いませんでした。何度も自分の腎臓と向き合う機会はあったのにです。
詳しくは「発病から現在まで」を時系列でまとめた記事をご覧ください。

そしてステージ5になる前の自分にもし忠告できるとしたら「欲望のままに食べるのはやめなさい!どうにかなると思っているかもしれないけど、自分が考えを改めないとどうにもならないから!」と伝えたいです。その時の自分がこの忠告を素直に聞いてくれるとは思えませんが。

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