「緊急透析」の話

「緊急透析」の話

前回は「手術まで持たない体」の記事を書きました。

お医者様から「末期腎不全」であることが告げられ「血液透析」を選択し、透析のための「シャント」手術をしました。
ところが作った「シャント」から透析ができるようになるまでの間に、体がもたずに救急車で運ばれてしまうというところまで書きました。

「シャント」の手術をしてから透析をするまでには「シャント」を育てる必要があるんです。

「シャント」手術の予約をした段階では、まだそれほど具合は悪いわけでもなく、疲れやすくなったという感覚はあるものの、歩くことも普通に出来ていました。
「シャント」の手術は2泊3日で行い、その後、自宅で「シャント」が育つのを待つという流れの予定でした。
しかし家に帰ってからは日増しに具合が悪くなり、退院から1週間もたたないうちに少し動くと気が遠くなり、吐き気もひどくなっていきました。
そこから3日もたたずに、立ち上がったとたんに気を失ってしまい、意識が戻ると気持ちが悪くて嘔吐してしまう状態を繰り返し、とうとう起き上がることができないため身動きが取れなくなり、救急車で病院に緊急搬送となりました。

病院についてからは、ICUに入り様々な検査や治療を行って頂きました。
気を失った際に頭を打ったこともあり頭部MRIを行い、血液検査や尿検査、胸部レントゲン、腹部レントゲンなどの検査を行い、点滴も行ってもらいました。
そして主治医の先生から、もっと早く来た方が良かったこと、現在「尿毒症」と「貧血」の状態であること、予定より早く透析治療を行ってもらえることになりました。

翌日の朝お医者様から、手術で作った「シャント」が使えるようならそれを使うが、ダメなら首にカテーテルを通してそこから透析を行うこと、その場合「シャント」から透析ができるようになるまでは首のカテーテルを残置すること、その後「透析導入入院」にそのまま入るため3週間は入院になること等を説明されました。


「透析導入入院」とは、初めての透析での状態管理の他、「不均衡症候群」の対処、透析後の薬の調整、食事の変更、シャントの管理、体重の管理などへの学習などを行うための入院措置です。

初めて透析を行うと「不均衡症候群」という状態になることがあります。
以下は「不均衡症候群」について「全国腎臓病協議会」様のHPから抜粋した文章です。
参考URL:https://www.zjk.or.jp/kidney-disease/cure/hemodialysis/complication/
—引用—
体が透析にまだ慣れていない、透析導入期によくみられます。症状は、透析中から透析終了後12時間以内に起こる腹痛・吐き気・嘔吐などです。透析を行うことで体内の血液中の老廃物が急激に除去されてきれいになりますが、脳の中の老廃物は除去されにくく、体と脳との間に濃度差が生じます。そのため、脳の中の老廃物を薄めようとして脳は水をどんどん吸収するため、脳がむくみ、脳の内圧が高くなることで引き起こされる症状です。体が透析に慣れていけば徐々に起こりにくくなります。予防には、水分や塩分、タンパク質の制限を守ることで緩やかな透析を行う、透析時間を長くするなどです。
—引用ここまで—

また、透析前で服用していた「慢性腎臓病(CKD)」の薬の一部は、透析後は不要・変更になります。

透析を行ってからは、食事も変わります。
透析前は腎臓に負担を書けない腎臓食とも呼ばれる食事制限がありますが、透析後はたんぱく質の制限は減り、しっかりたんぱく質をとる必要が出てきます。
ただし、リンは控えなくてはいけないので、リンを多く含む食品は極力制限しなくてはいけません。

さらに「シャント」を管理するための注意点や、体重を管理するための注意点を入院中に学ぶのが一般的です。

翌日の朝、まずは1週間ほど前に手術で作った「シャント」が使えるかどうかを確認してもらいました。
メディカルエンジニアの方と担当医が、腕の血管をCTスキャンしながら「ここならいけるんじゃないか?」「でもちょっと深いんじゃない?」といった話し合いをしていました。
内心「何が深いんだろう・・・・」とドキドキしながらその会話を聞いていました。
そして針を刺してみましたが血が出なかったため、やはり腕からは無理だという判断になりました。

腕からは無理なので前日の説明の通り、首にカテーテルを通してそこから透析をすることになりました。
2本のカテーテルを首から入れていきます。
麻酔は局所麻酔だったので、手術中の意識はありました。
右首から右肺の近くの静脈にカテーテルを通すのですが、手術前に「稀に肺に刺さってしまうこともあるけど、慎重に施術するからね」との説明を受けていたので、「だ、大丈夫かな・・・?(ドキドキ)」と思っていましたが、無事に成功したようでした。
レントゲンでカテーテルを確認した後、すぐに透析の機器を繋いで透析を開始してくれました。

こうしてお医者様や病院の方々の尽力があり、初めての透析を何とか行うことができました。
初めての透析後は、劇的に具合が良くなったという印象はなく、「少し楽になったかな?」という感じでした。
それよりも「不均衡症候群」の症状が出て、具合の悪さや吐き気がありました。
その日の夕食は完食することができずに戻してしまい、翌日も吐き気が治まらずに寝たきりでした。

その後2回目の透析を行うと、吐き気はかなり改善しました。
倦怠感は相変わらずありましたが、一般的な透析の後におきる疲労感や倦怠感だったのかもしれません。
立ち上がって気を失うことはなくなりましたが、めまいは残っていました。

ICUから3日間はHCU(高度治療室)で過ごし、そのまま「透析導入入院」となりました。

この後、透析を繰り返していくにつれ、これまでの体の問題がどんどん改善されていきます。
詳しくは「シャント」をそだてて「シャント」から「血液透析」を行えるようになるまでと、その後の経過を次の記事でお話したいと思います。

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