「高血圧」について
ここまで「慢性腎臓病」について書いてきましたが、今回は「高血圧」について書きたいと思います。
なぜかというと「高血圧」と「慢性腎臓病」は密接な関係があるからです。
「慢性腎臓病」のことを書く上で「高血圧」は外せないワードなんです。
そもそも誰もが名前は聞いたことがある「血圧」ってなんでしょうか。
「血圧って、血の圧力でしょ?」と私も思っていましたが、よく考えたらちゃんと理解していませんでした。
医療関係者や「高血圧」と診断された人以外ははっきりとわかっていない方も多いんじゃないかと思います。
人間は常に血液が体中をめぐっていないと生きていけません。
その体に血液を巡らせるために、ポンプのように血液を送っているのが「心臓」です。
収縮→拡張→収縮→拡張→収縮・・・を繰り返して(いわゆるドッキンドッキン・・・)血液を体中に巡らせていますが、その血液が血管の内側に与える圧力が「血圧」です。
「血圧」は2つの数値で把握しています。
- 収縮期血圧 (いわゆる「上の血圧」というやつ)
⇒心臓から血液を送り出すときの圧力
⇒血管の壁にかかる圧力が一番強い - 拡張期血圧 (いわゆる「下の血圧」というやつ)
⇒拡張した心臓が元の大きさに戻るときの圧力
⇒大動脈に残った血液を送り出すだけなので血管の壁にかかる圧力は一番弱い
「収縮期血圧」とか「拡張期血圧」とか、難しい言葉はあまり耳なじみがありませんが、「血圧の上がいくつで・・・」といった言葉は良く聞きますよね。
血圧の数値は、心臓が1度に送り出す血液の量と、血管の太さ・血管の壁の硬さによって決まるそうです。
以下の状態だと血圧が高くなります。
- 送り出す血液の量が多い
- 血管が細い
- 血管の壁が固い
これだけ見ると「血管の壁が固い」以外はそんなに悪い感じもしないのですが、ではなぜ「高血圧」が良くないといわれているのでしょうか。
「高血圧」になると以下のような良くない症状を引き起こす可能性が高くなります。
- 脳卒中・脳梗塞
- 脳血管障害
⇒脳出血・くも膜下出血 - 狭心症・心筋梗塞など
また上記の他に「認知症」になりやすかったり、頭痛・めまい・肩こりなどの症状が出る場合もあるそうですし、生活習慣病の最大の原因になるともいわれています。
たまたま高い血圧が測定されたのではなく、毎回高い血圧が測定される場合は「高血圧症」と診断されます。病院で図る血圧と家で図る血圧で数値が違うこともよくあるそうです。
なお、血圧の単位は「mmHg」で表し「ミリメートル・エイチ・ジー」または「ミリ水銀」と読みますが、単位を付けると難しい感じがするので、以下の記述は単位を省略します。
ちなみに「血圧をこれぐらいまで下げましょう」という目標値があって、それが2024年4月から変わったという記載がネット上でもチラホラありましたが、「日本高血圧学会」の発表を見ると基準が変わったということはなく強調する部分が変わっただけのようです。
※以下は「日本高血圧学会」のHPから抜粋したものです
ということで、この①が新しい目標値としてフォーカスされたことで、新基準で変わったと受け止められていますが、高血圧の判断基準が緩くなったとかそういうことではないようなので注意が必要です。
ちなみに、以前は上が140で下が90以上が「まずいですよライン」だったのが、新基準では上が160で下が100以上が「まずいですよライン」に変わったという受け止め方が多くありますが、これもまた間違いではないようです。
そして自分は「まずいですよライン」にひっかかっております。
ではどうして高血圧になってしまうのか?を確認したところ、以下のような項目にあてはまる数が多いほど高血圧になりやすいそうです。
- 味の濃い食べ物が好き
- 炒め物や揚げ物が好き
- 肉や加工食品が好き
- 野菜や果物はあまり食べない
- お酒をたくさん飲む
- 運動をほとんどしない
- 太っている
- タバコを吸う
- ストレスが溜まっている
- 血糖値が高め
- 身内に高血圧の人がいる
- 自律神経が不調
これらの項目が全くあてはまらないという人の方が逆に少ないと思います。
では「高血圧」への対応策・対処・注意点にはどんなことがあるのでしょうか。
- 減塩する
- 脂っこいものや肉を減らす
- 急激な寒暖差を作らない
- 便秘にならないようにする
- しっかり睡眠する
- ストレスを解消する
- お酒を飲みすぎない
- 禁煙する
- 太りすぎない
- 適度に運動する
他には定期的に血圧を測ったほうが良いそうです。
高血圧についての説明が少し長くなりましたが、とにかく高血圧は体に良くないということですね。
そして、高血圧は「腎臓」に影響を及ぼします。
- 腎臓のはたらきが悪くなる
↓ - 余分な塩分や水分がたまる
↓ - 血液の量が増える
↓ - 血圧があがる
↓ - 腎臓の働きがさらに悪くなる
↓ - もっと余分な塩分と水分がたまる
↓
↓ これをループで繰り返す
↓
↓
このように腎臓が悪い場合は高血圧にも注意しなくてはいけないのです。
また腎臓から、血圧を一定に保つホルモンを作るのに欠かせない酵素が分泌されづらくなる、ということもあるそうです。
今回は「高血圧」と「高血圧が慢性腎臓病に及ぼす悪影響について」を書きましたが、あたらめて「頑張って血圧を下げる努力をしなくては!」と痛感しました。
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